筋力強化は、人材採用に似ている
腕立て伏せをたくさん行うと、胸や腕の筋肉が腫れたように感じることがあります。
これは「パンプ」と言って、疲労した筋肉の中に溜まる疲労物質の濃度を他の部位と一定に保とうと、水分を疲労した部位に集中させることで起こります。
つまり、1回のトレーニングで起こっているのは、筋肥大ではなく水分変動が大きいということです。(もちろん、少々の筋肉の合成も行われますが)
では筋力が付いていく仕組みを、まとめてみます。
トレーニングを行うと、筋肉には普段掛からないようなダメージが加わります。
すると筋肉は筋繊維を太くするより前に、今ある筋肉でより強い力を出して、次に同じダメージを受ける際に耐えられるよう準備をします。(ここで活躍するのが「神経」です。)
普段は自分の脳で40%しか使えていない筋肉を、より多くの司令を脳から送って60%使えるようにする、ということです。(パーセンテージは適当)
ある程度、今ある筋肉をフルに使えるようになってもなお耐えきれない負荷が加わると、筋肉は新たに繊維を太くする作業を行う。これで筋肉が太くなります。
つまり体が強くなっていく過程は「神経系の向上」→「筋肥大」と順を踏むわけです。
これは企業における人材採用に似ています。
会社の業績を上げるためには、まず在籍している社員のパフォーマンスを上げることに注力するでしょう。育成に力を入れたり、モチベーションの維持向上を狙ったり、あるいは福利厚生を充実させたり。
(こういった取り組みは「働き方改革」として近年注目されていますね)
在籍社員の個々のパフォーマンスが限界値に引き上げられても、さらに業績を伸ばしたいならば、新たな人材の採用を行うでしょう。
つまり、筋肥大への道は「在籍社員のケツを蹴る」ことから始まります。
ちなみに、文中で登場した「神経系の向上」には
①運動単位の増加、②発火頻度の向上、という2つの要素があります。
この辺りは、別の機会にまとめます。
Coach Y