Boys Be Functional

動きやすく、痛めにくい身体作りを、世界中の誰よりも分かりやすく。

骨は硬いもの

では更に根本から動き作りを理解して行きましょう。

まず私達の体を語る上での基盤になるのは「骨」です。

 

私達が歩いたり走ったり動く際に、実際に動いているのは「骨」です。

骨を動かすのが筋肉であり、その筋肉を動かすのが神経なのです。

(加えて言うなら、骨と骨を繋いでいるのが関節、そして関節があらぬ方向までいかないように止めてくれているのが靭帯です。)

 

骨は体の中でも硬く、頑丈に出来ています。

その分、痛んだ際には修復に時間が掛かります。(骨折をされたことのある方が想像がつくと思いますが)

 

骨は体を動かすだけでなく、実は血管を流れる血液を作る役割も担っています。

(意外と知られていない)

人間にとって、とても大切であることが分かりますね。

 

では次の項では、関節についてまとめて見ます。

 

Coach Y

 

 

動ける身体作りで考慮すべきこと

では話を戻し、どのようなトレーニングが、動ける身体に必要なのでしょうか?

 

まず、通常のトレーニングは特定の筋肉を単品で使うことが多いのに対し、動ける身体作りでは「動作に対して複数の筋肉を参加させる」ことが大切です。

具体的には、以下のような点を考慮することになります。(まずは簡単なところから)

 

①動作中に一緒に活動する組み合わせ(フォースカップル)で筋肉を使う

②動作を起こす筋肉と同時に、重力に対して姿勢を維持する筋肉を使う

 

①筋肉の役割は関節を動かしたり、安定させることです。

ただ、どの関節も一つの筋肉のみで動かせる訳ではなく、複数の筋肉が関与します。

特にスポーツのようなダイナミックな動きでは、より多くの筋肉が同時に働くように設計されているのです。

 

そして、よくある動作中に一緒に使われる筋肉の組み合わせは、研究によって大方分かってきています。

それが、NASM(National Academy of Sports Medicine)という団体が提唱する「フォースカップル」という考え方です。

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NASM Essentials of Sports Performance Training. 2010.

 

例えば上記のような片脚立ちの局面では、主に3つの筋肉が活動して姿勢を維持しています。姿勢を維持することでさえ、人間は複数の筋肉を使っていることが分かります。

これが、特定の筋肉を強化するボディビル的なトレーニングと、複数の筋肉を同時に使うファンクショナルトレーニングの大きな違いの一つです。

また具体例を踏まえて追記していきます。

 

Coach Y

筋力強化は、人材採用に似ている

腕立て伏せをたくさん行うと、胸や腕の筋肉が腫れたように感じることがあります。

これは「パンプ」と言って、疲労した筋肉の中に溜まる疲労物質の濃度を他の部位と一定に保とうと、水分を疲労した部位に集中させることで起こります。

つまり、1回のトレーニングで起こっているのは、筋肥大ではなく水分変動が大きいということです。(もちろん、少々の筋肉の合成も行われますが)

 

では筋力が付いていく仕組みを、まとめてみます。

 

レーニングを行うと、筋肉には普段掛からないようなダメージが加わります。

すると筋肉は筋繊維を太くするより前に、今ある筋肉でより強い力を出して、次に同じダメージを受ける際に耐えられるよう準備をします。(ここで活躍するのが「神経」です。)

普段は自分の脳で40%しか使えていない筋肉を、より多くの司令を脳から送って60%使えるようにする、ということです。(パーセンテージは適当)

 

ある程度、今ある筋肉をフルに使えるようになってもなお耐えきれない負荷が加わると、筋肉は新たに繊維を太くする作業を行う。これで筋肉が太くなります。

つまり体が強くなっていく過程は「神経系の向上」→「筋肥大」と順を踏むわけです。

 

これは企業における人材採用に似ています。

会社の業績を上げるためには、まず在籍している社員のパフォーマンスを上げることに注力するでしょう。育成に力を入れたり、モチベーションの維持向上を狙ったり、あるいは福利厚生を充実させたり。

(こういった取り組みは「働き方改革」として近年注目されていますね)

在籍社員の個々のパフォーマンスが限界値に引き上げられても、さらに業績を伸ばしたいならば、新たな人材の採用を行うでしょう。

 

つまり、筋肥大への道は「在籍社員のケツを蹴る」ことから始まります。

 

 

 

ちなみに、文中で登場した「神経系の向上」には

①運動単位の増加、②発火頻度の向上、という2つの要素があります。

 

この辺りは、別の機会にまとめます。

 

Coach Y

 

構造と機能

「筋トレで付けた筋肉は、使えない」という考え方は浸透していながらも、多くのアスリートは日々筋トレに励みます。

筋トレでつけた筋力と、動きやすいカラダを作ることにはイコールではないのですが、「では、実際に何が違うの?」と言われると、答えられない方も多いでしょう。

 

カラダの「構造」と「機能」について、なるべく簡易な言葉でまとめていきます。

 

筋肉の量(構造)は、車で言うところの「馬力」に当たります。

F1レースを走る高性能な車は、相当な馬力を持っています。

カラダの使い方(機能)は、操縦者の運転テクニックとなります。

もし運転初級者がF1レースを走るような車を運転したとすると、どうなるでしょう?

 

カーブや難しい切り返しなどではクラッシュなど大きなリスクが伴うでしょう。しかも自分の扱える以上の馬力がありますから、事故を起こした時の衝撃も大変なものになります。(スポーツでいうなら、これが怪我となります)

 

よくある質問で「筋肉を強くすることと、動きを改善すること、どちらを優先すべきですか?」というものがあります。

車に例えて答えるならば「まず今ある車を乗りこなせるようになってから、馬力のある車に買い換えるべき」です。

 

筋力が上がっても、それを扱いきれない。

逆に機能ばかり向上しても、そもそもの筋力がなければパワフルには動けない。

つまり、同時進行で強化していくことが大切です。

 

では「筋力が強くなる仕組み」に関しては、次に言及したいと思います。

 

Coach Y

ブログを開設しました。

今回、新たにブログを開設することにしました。

 

これまで多くのセミナーや講演などを担当させて頂き、アウトプットの機会に恵まれてきましたが、その中で「どのようにすれば、もっと受け手に分かりやすく説明することができるのか」と試行錯誤することが多くなりました。

 

セミナーあるあるではないでしょうか?

受講後に「面白いセミナーだったな〜!」と満足しながらも、翌日の自分の仕事に何も生きていない、ということ、誰にも1度は経験があるのではないでしょうか。

知識を伝えることができても、受け手である方々に「次の日から、即実行できるくらい腹落ちする理解」を提供できなければ、単なる自己満足になってしまいます。

 

そこで当ブログでは、普段自身が指導するファンクショナルトレーニング(動きやすく、痛めにくいカラダを作るためのトレーニング)の考え方を、より分かりやすく伝える練習の場として活用して行きたいと思います。

 

もしご覧頂く方で、今後上記のようなトレーニングを学びたいとお考えのトレーナー、インストラクター、コーチ、教員、学生、あるいはアスリートの方々にご活用いただけるならなお幸いです。

 

 

Coach Y