関節物語③正しい姿勢がなぜ必要か
前回はモビリティとスタビリティについてまとめました。
今回は「姿勢」との関連についてです。
まず、コンセプトの共有から。あなたはどちらのスタンスですか?
①姿勢を正してから、動作を改善すべき
②動作を改善する過程で、姿勢も改善されていく
我々は②をベースとしています。
姿勢改善は大切ですが、日頃の動作が今の姿勢を形作っていると考え、まずモビリティ、スタビリティの課題を見つけ、改善していくことを重視します。
腰椎が丸まらない→胸椎を中心に前屈する動作を日頃から繰り返す→胸椎が丸まる、とうい具合です。
ただし、姿勢を改善することも、以下2つの理由からとても大切です。
その理由の1つに「セントレーション」という考え方があります。
これはチェコのパベル・コラー博士が提唱した考えで、関節が適切な位置にあることで
周囲の筋肉は適切は力を発揮することができる、とする考え方です。
つまり、動きを改善していくにも、関節を正しい位置に整えることが必要となります。
二つ目の理由に、筋肉には「長さ-張力関係」というものが存在します。
筋肉には、最大の力を発揮できる長さ(「至適長(してきちょう)」と言います)が決まっており、悪い姿勢は筋肉の長さを不適切にしてしまいます。
猫背姿勢を例に取りましょう。背中が丸まって肩が前に出ると、胸の筋肉は短く、また背中の筋肉は長く引き伸ばされてしまいます。
お互いの筋肉が適切な長さから遠ざかってしまい、最大の力を発揮することができなくなってしまうのです。
胸の筋肉を鍛えるために腕立て伏せを頑張っても、それが原因で背中が丸くなってしまうと、胸の筋肉は力を出せなくなってしまう。なんとも皮肉な話です。
ここで焦点となる肩甲骨に関しては次項で。
Coach Y