関節物語⑤天使の羽
この項で最後にお伝えするのは、肩甲骨です。
まずは肩甲骨を含めた、肩の構造をサクッと解説します。
肩甲骨は肋骨の後ろに張り付いており、肋骨の上を滑るように動きます。この肋骨と肩甲骨の関係を肩甲胸郭関節と呼ばれています。
また、私たちの二の腕の骨(上腕骨)は肋骨ではなく肩甲骨から出ています。この肩甲骨と上腕骨の関係を肩甲上腕関節と呼びます。
私たちの腕は、胴体から肩甲骨を介して付いている、ということになります。
肩甲上腕関節がモビリティ関節なのに対して、肩甲胸郭関節はスタビリティ関節。
つまり上腕骨が自由に動き回るのを、肩甲骨が適切に制御してくれている、ということです。まるで木の幹と枝のように、肩甲骨が安定していることで、肩が存分に動くことができるのです。
ここで問題になるのが、肩甲骨をどう安定させるか、ということです。
肩甲骨は複数の筋肉で肋骨に貼り付けられていますので、筋肉が弱かったり活動しにくい状態だと、肩甲骨を肋骨に貼り付けていられなくなります。これが「天使の羽」と呼ばれる状態。つまり良くない状態なのです。
では、肩甲骨をどのように安定させるのか。
この辺りは、今後の「筋肉」シリーズで解説して行きます。
Coach Y